展覧会「Taiza, Tango」
SEI KYOTOにおいて、企画展「Taiza, Tango」を開催しました。今展では、写真家・畠山直哉が京都・京丹後を訪れ出会った自然と風景の記録と共に、同地で生み出された生産物を紹介しました。
畠山が写真を介して鑑賞者に届ける光景には、自然がもつ豊かさ、更新していく力、常にあたらしさの始まる朝のような力を感じることができます。「Taiza, Tango」展では、異なる季節での京丹後の滞在で撮影された新作を初公開しました。息をのむようなその光景の先には、京丹後の地で生きてきた人々がゆっくりと目の前に見出してきた暮らしの景色とその形が息づいています。
見ることは構想すること、構想することは思い描くこと。かつて日本各地で見られた暮らしの営みー酒造り、染織・機織り、紙づくり、土壁、酢・醤油の醸造、漬物ーどのシーンも自然との対話なしには語ることができません。ゆっくりと発酵する酒に耳を傾る杜氏、日々の天候や温湿度を見極め染料を調整する染め職人、米が育つ清らかな水と豊沃な土から培う醸造家、そこには、愛をもって命の生成と変容を見つめ続けることにより、人々が紡ぎ出してきた美があります。そこに存在する美と明日を見るためにも、本展が見ることの大切さを再認できる機会となることを願っています。
本展を体験した人々が、京丹後に興味をもち、訪れ、日本の持つ美しい風土、豊かな食文化、周囲の文化資源の魅力を体験することで、美しい景色に出会える日本という風土が持つ豊かさ、地域文化を再認識し、芸術文化活動を通して人々の豊かな心を育む機会の提供、新しい文化を想像する基盤の構築を目指します。
会期
2022年12月10日ー25日
会場
SEI KYOTO
入場料
1,000円
主催
NPO法人TOMORROW
展示内容
展示会場では「あしたの畑」のオリジナル商品、京丹後の発酵にまつわる食品を展示しました。それは世界共通の文化、生きながらえるために人が叡智と経験で生み出した「発酵」という技術がもたらす可能性から改めて自然と営みを考える過程でもあり、今、まだ私たちが維持している美とこれらを維持するために各々ができることを問いかけるものです。
畠山直哉 :写真作品
かみ添 :京丹後の土を使ったグリーティングカード
佐藤聡 :グラス、薬膳茶器 デザイン橡:京丹後の麻を使った寝具
中川周士 :箸と匙、へぎ板を利用した木皿、菓子器
新里明士 :4つ碗